海老原宏美基金 第1回助成事業が終了しました。
新年度に入り、第2回助成事業も開始しています。
引き続き社会変革を目指す多くの方に助成できますよう、ご支援をよろしくお願いいたします。
○第2回助成先の紹介は こちら
第1回助成先の紹介
応募事業数 35事業
助成決定数 12事業
助成金総額 2,824,500円
2024/7/28開催 「朗読と座談会-海老原宏美の言葉から」&「第1回助成事業活動報告会」
録画はこちら↓↓
第1回助成事業 活動報告会
(1)障害種別をこえた若手障害者の育成と自立支援
○CCHSファミリー会(先天性中枢性低換気症候群)
事業名:人工呼吸器で生きる子ども達の自立を促す旅の支援
助成金額:300,000円
○高雅郁
事業名:台湾と日本の知的障害がある若者の国際交流・学びあい事業
助成金額:300,000円
団体名:CCHSファミリー会
事業名:人工呼吸器で生きる子どもたちの自立を促す旅の支援
URL:https://cchs-hp.normanet.ne.jp/
〈団体について〉
希少難病〔先天性中枢性低換気症候群〕のこども達の将来を切り開くために、東京都世田谷区に住む5人の母親によって発足した任意団体です。数少ない患者・家族同士の情報共有、疾患の認知向上、治療法の確立を目指し、活動しています。
〈行った事業〉
6年ぶりに開催した「全国先天性中枢性低換気症候群(CCHS)医療カンファレンス」への参加の旅を通じて、子どもたちの視野を広げ、自立への意欲を促し、家族をエンパワメントしたいと考えました。開催地である東京から遠方に住む家族、シングルマザー家庭を中心に、交通費の一部支援を行いました。
事業による成果は…
全国から同じ病気の友達と会い、自分は一人ぼっちではない、仲間がいることの大切さと、自分への自信を持ってもらうことが出来たと思います。この経験は、当日のものだけでなく、数年後に、自己肯定感として本人を内面から支えると信じています。
今後の意気込み!
家族のうち一人でも体調を崩すと、参加を見送るしかなかったり、医療的ケアの多い家族は移動すらできません。そのような重度のCCHS患者の医療的ケアを行う家庭のことを、医療職に知っていただきたいです。
お名前:高雅郁
事業名:台湾と日本の知的障害がある若者の国際交流・学びあい事業
〈行った事業〉
大阪で開催されたピープルファースト大会に、台湾の当事者が参加。また、大阪の自立生活センター2か所とも交流。
旅費と大会参加費等に充当することで、必要な経費の約半額を基金で賄うことができた。
事業による成果は…
今回の大会に参加した二人の当事者は、家族や支援者ではなく、自分自身が決めることが多くなりました。
一方、個人の参加であるにもかかわらず、「親の会に報告する」とも何度か話しており、親の会の影響の大きさを実感しました。
今後の意気込み!
大会や交流の際に、情報の豊富さや進行速度、通訳を通じてのコミュニケーションなどが、知的障害のある当事者にとって理解しにくいものであることから、参加の期待に沿えない面もあったなど、今後海外からの参加者を考えるうえでの新たな課題もみえてきました。
(2)インクルーシブ教育の普及・促進
○ビーラインドプロジェクト
事業名:視覚障害を越えて楽しめるゲーム「グラマ」を使ったイベント実施
助成金額:300,000円
○東京インクルーシブ教育プロジェクト
事業名:すべての子が過ごしやすい学校へ―障害×LGBTQ連帯イベント!
助成金額:105,000円
○重症児デイララベビーノ
事業名:体を自由に動かせなくても、みんなとおしゃべりしたい!
助成金額:264,000円
○リズムの会
事業名:鶴見で一緒に考えよう!「ともに学ぶ」教室のこと
助成金額:155,500円
○一般社団法人わをん
事業名:学校での介助ってどんなの!?~身体障害のある子どもたちの介助って?特別支援教育支援員ってなに?
助成金額:300,000円
○河合信之
事業名:インクルーシブ教育を目指した音声同時文字表示の教材開発と認知
助成金額:300,000円
○ともに暮らす街-わかぞのインクルーシブ・コミュニティ(WinC)構想運営委員会
事業名:地域にひらかれたアウトサイダーフェスの探求inデンマーク
助成金額:150,000円
団体名:ビーラインドプロジェクト
事業名:視覚障害を越えて楽しめるゲーム「グラマ」を使ったイベント実施
URL:https://blinedproject.org/
〈団体について〉
視覚の状態が異なることによって一緒に遊べない、楽しめない。そのような視覚による楽しさの分断を減らし、見える人も見えない人も、見えにくい人も一緒に楽しめる物と場で溢れる社会を目指します。
〈行った事業〉
関西3府県、北海道、福岡へ出張に行き、現地の団体と協賛という形でトークセッションやボードゲームの体験イベントを開催しました。
事業による成果は…
イベント事業自体を企画通りに達成できただけでなく、関係性の構築や新規事業についての会話をすることもでき、当初の予定よりも団体が大幅に前進しました。わたしたちの目指すゴールに一歩前進できました。
今後の意気込み!
・新規事業であるワークショップへのリソースを多く使い、財源を確保していくこと
・ボードゲームをオンライン販売し、普及の方法を模索すること
団体名:東京インクルーシブ教育プロジェクト
事業名:すべての子が過ごしやすい学校へ
―障害×LGBTQ連隊イベント!
URL:https://www.facebook.com/TIP.6.11/
〈団体について〉
「インクルーシブ社会の実現への戦略としてインクルーシブ教育を推進していく」ために「障害当事者が中心となって」「政策提言していくこと」を主眼として活動している。
〈行った事業〉
2023年9月23日、三鷹市市民協働センターにてイベントを実施した。基金を利用し、当日手話通訳と要約筆記を準備することができ、聴覚障害者の参加もあったほか、聴覚障害のない参加者からも「文字情報があると、わかりやすい」などの声もあった。
事業による成果は…
多様な子どもたちが同じ教室で意義を、参加者の皆さんと一緒に考えられたと思う。障害と LGBTQ という普段あまり接点のない当事者や支援者同士が、今の学校の課題を考える貴重な機会となった。
今後の意気込み!
予想以上に内容が盛りだくさんになってしまい、後半の議論をあまり深められなかった。
参加者からも「第2弾をやってほしい」という感想をもらった。
団体名:重症児デイ ララベビーノ
事業名:体を自由に動かせなくても、みんなとおしゃべりしたい!
URL:https://bebeano.com/company/company-mamato/
〈団体について〉
光あふれる中、楽しそうで、嬉しそうで、かわいらしくて、心弾むイメージで名付けました。
医療的ケアなどがあっても安心できる環境で、お子さまの成長発達を支援するとともに、やさしい地域作りを目指していきたいと思います。
この場に集うことで、こどもたちとご家族が、ララ♪と心軽やかに、あたたかい気持ちで、
1日1日を大切に過ごせますように。
〈行った事業〉
視線入力装置を活用し、視覚障害やまひのある利用者への訓練、活動で電子支援技術を利用者・職員ともに体験しました。
事業による成果は…
視覚障害や知的障害のある利用者について、考えていた以上の力を持っていることを感じることができました。
今後の意気込み!
装置の有用性を発信することで、必要な人々への助成等、制度の充実に貢献していきたい
団体名:リズムの会
事業名:鶴見で一緒に学んじゃおう!「ともに学ぶ」教室のこと
URL:https://www.facebook.com/people/%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BC%9A/100064418903138/
〈団体について〉
リズムの会は障害のある子どもたちの余暇活動を行うサークルで、音楽療法と子どもたちが好きに過ごせる余暇活動を月に1回ずつ行っている。
「子どもたちと家族が家と学校以外でホッとできる居場所」としての機能や、「友だちと約束して遊ぶことが難しい子どもでも定期的に会える仲間を作ること」を目的としている。
〈行った事業〉
①豊中市立南桜塚小学校校長による豊中市で行われている学校教育についてと南桜塚小学校を視察した方々によるパネルディスカッション。
②イタリア、カナダのインクルーシブ教育を現地で学んだお二人に現場のリアルを伝えていただく対話。
③インクルーシブ教育に対すな考えを対話するワーク「学校って何だろう」の実施。
④どんな子にも育つ力があり分けられず殿に育てことの大切さを大人もともに育ちながら見守れる社会を目指すた めの講演会「一緒にそだてばだいじょうぶ」の開催。
事業による成果は…
国内、海外のともに学び合う教室の実例をもとにしたインクルーシブ教育の意義を伝えられたこと。
今後の意気込み!
イベント周知、広告の出し方をもっと進め参加者を増やしたい。運営の人手が足りないので今後は事務局 などを作り効率的な運営を目指したい。
団体名:一般社団法人 わをん
事業名:学校の介助ってどんなの!?
~身体障害のある子どもたちの介助って?特別支援教育支援員ってなに?
〈団体について〉
重度障がい者が地域で自立生活を始めようとした時に直面する困りごとの解決をサポートしていきます。
『当事者が介助者を自分で集め、育て、マネジメントする』
障がい当事者自身が、障がい特性やコミュニケーション方法を熟知した介助者を、自ら募集・採用・育成し、マネジメントする「自薦登録ヘルパー制度」の活用を支援します。
〈行った事業〉
・ハンドブック制作のためのアンケートとインタビュー調査、当事者による座談会の実施
・成果普及のためのイベント実施
事業による成果は…
公立高校での介助をテーマにした一般向けの書籍やウェブ記事は極めて少ない。
本ハンドブックができたことは、学校での介助を求める当事者やご家族、支援者や学校関係者にとって大きな意義がある
今後の意気込み!
今回の調査対象が公立高校に限られたこと。小中学校の実態も知っていくこと。
お名前:河合信之
事業名:インクルーシブ教育を目指した音声同時字幕表示システムの教材開発と認知
〈行った事業〉
話した内容を同時にモニターに表示する「音声同時字幕表示システム」を開発し、聞き取り・アンケート調査、及び学会での発表を行った。
事業による成果は…
実際に授業において調査を実施することで、ほとんどの生徒から「あった方がいい」という回答、好意的な感想と改善を求める感想の両方を得られた。モニターを改善すれば、より生徒の聞き取りの支援になると考えた。
今後の意気込み!
現段階では、先の実践結果で明らかになった課題を改善する方法や、それを検証することは出来ていない。
当初の計画に従い、全国の教育関係者や必要とする障害のある人たちにこのシステムを広め活用することで、障害のある子どもも障害のないこどもも等しい学習環境の一助となったり、障害のある人のコミュニケーション能力などQOLを高めることに役立ちたいと考えている。
団体名:WinC構想運営委員会
事業名:地域にひらかれたアウトサイダーフェスの探求inデンマーク
〈団体について〉
福岡県北九州市小倉南区若園地域で、地域住民と大学生で立ち上げた地域共生社会のモデル地域づくりの構想である「ともに暮らす街-わかぞのインクルーシブ・コミュニティ(WinC)構想」。
「障害者や高齢者が住みやすいまちはみんなが住みやすい」というコンセプトのもと、まちづくりを進めており、2021年からは年に一度、住民や施設利用者が一堂に会する「WAKAZONOタウンパレード」を開催している。
〈行った事業〉
デンマーク視察を通して、地域にひらかれたインクルーシブなコミュニティづくりについてのイメージを深め、今後の活動の原動力にする
事業による成果は…
「自分が何をしたいのか・何ができるのか」ということを中心に、障害がある人でもそのコミュニティ内で対等に検討し、ひとつのフェスを作り上げたという話を聞くことができました。
その後も美術学校の作品展示などでつながりつづけています。
今後の意気込み!
自身を取り巻く人々の存在を知り、どんな人なのかに関心を向けることが「インクルーシブ・コミュニティ」創出の鍵であり、私たちにできること。
これらは誰かが押し付けて形成されるものではなく、パレードなどの地域住民交流型のイベントの開催を継続させたり、日常的に関わりが持てるように運営委員会で工夫を続けていく必要がある。
(3)“自分らしさ”に伴走する介助者の育成
○新居真理
事業名:法人設立記念・人工呼吸器使用者周知の映画上映、講演、ライブ
助成金額:300,000円
○呼吸器生活向上委員会
事業名:人工呼吸器や医療的ケアのある子どもと地域の交流イベント開催
助成金額:300,000円
○川崎つながろ会
事業名:神経難病患者の外出支援における学生ボランティアの育成事業
助成金額:50,000円
団体名:一般社団法人レアライス
事業名:法人設立記念・人工呼吸器使用者周知の映画上映、講演、ライブ
〈団体について〉
医療的ケアの研修やSNSの周知活動を行い、介助者を増やすべく動いています。
一般社団法人を立ち上げ、引き続き研修とヘルパー派遣、周知イベント企画、開催、相談支援等事業として行っていきます。
〈行った事業〉
人工呼吸器を使用者を取材したドキュメンタリー映画「風は生きよという」の上映、手話を使ったパフォーマンスを行う強力翔さんの音楽ライブ、「風は生きよという」出演の人工呼吸器使用者、新居優太郎とその家族、強力翔さんとの講演(トーク)。
事業による成果は…
当事者の意思疎通の仕方や日常生活を見てもらい、前を向いて生きていく力強さやあたたかな気持ちを感じてくださった方がおられた。みんなで手話を一緒に行ったり、それぞれの楽しみ方をしてもらうことができ、当法人が目指す多様なインクルーシブ社会を表すような、雑多でかつ会場一体となったあたたかい空間を作ることができた。
今後の意気込み!
市民の支援者、協力者をもっと巻き込んで、イベント事業が地域に浸透していけるように今後は進めていきたい。まったく障害者や福祉に関係ない人たちに向けて、集客できるイベントを今後も考えて実施していきたい。
団体名:呼吸器生活向上委員会
事業名:人工呼吸器や医療的ケアのあるこどもと地域の交流イベント開催
URL:https://www.facebook.com/HASSHIN.PROJECT/
〈団体について〉
人工呼吸器を使用しているこどもを取り巻く、様々な環境改善に取り組んできた(学校での保護者付き添い解消、通学支援、学校看護師の育成など)。2年前からは、地域の方をはじめ社会の中で、重度障害や人工呼吸器、医療的ケアがあるこどもたちの存在をより多くの方に知っていただき、こどもたち自身が自らの力で活動することを大切にした「こどもハッシン!-呼吸器生活向上PROJECT-」に取り組んでいる。
〈行った事業〉
・団体紹介リーフレット2000部印刷、視線入力訓練アプリEyeMoTによる作品の印刷や、それを加工したアクセサリー制作に必要なプリンターの購入
・3/27~31横浜市役所にて、写真展「透明人間」開催、「透明人間」トークショー こどもがどんな風に生まれてきても、生き方を選択できる社会に 開催。
事業による成果は…
特別支援学校の存在や、どんな子どもたちが通っているのかを知っていただくことが出来た。
商品を購入することで子どもたちの応援に繋げたいと思ってくださる方々も多く、子どもたち自身が社会参加を実現し地域との繋がりを深めることができた。
「透明人間」の写真展とトークショーでは、医療、福祉、教育関係以外の方々にも、私たちが抱えている課題を知っていただくことが出来た。
今後の意気込み!
「地域の中に子どもたちの暮らしの伴走者となってくれる人を増やしたい」
この目標を引き続き持ち、地道に活動を続けていきます。また、保護者自身にももっと積極的に社会参加をしてほしいと願っています。子どもの世話だけで終わる人生ではなく、保護者自身の人生も大切に楽しむためにはどうしたらよいかを考えていきたいと思っています。
団体名:川崎つながろ会
事業名:神経難病患者の外出支援における学生ボランティアの育成事業
URL:http://kawasaki.tsunagarokai.net/
〈団体について〉
ALS患者の「外出のきっかけになれば」との思いで立ち上げた患者会。より良い療養生活を送ることを目指します。
〈行った事業〉
「川崎つながろ会」の定例会や外出イベントへのボランティア、学生記者企画や講演会への謝礼を出した。
事業による成果は…
お金のない学生に、外出支援ボランティアへ継続的に参加してもらうには、必要経費の負担をかけないことが大切と考えてきたが、本基金の活用により実現できた。
その結果のべ11人が参加し、そのうち期待を大きく上回る6名の学生ヘルパーが誕生した。
さらに新規事業として、地域の支援者の取材を学生ボランティアを利用して開始することができた。
今後の意気込み!
・一つの大学ではなく、近隣の大学や専門学校を巻き込むこと
・「外出してみたい」と思う患者を発掘すること
・学生記者企画の取材対象を広げること